コラム

白線文庫のこれまでとこれから

お知らせ コラム 白線文庫

ここでお店を開く前から決めていたこと。

日々の業務に追われてすっかり忘れてしまっていました。

こじまさんは喫茶を、私は本を。

かつて、そう決めてここまで来たのでした。

10年前に決めたことです。

 

いざお店をはじめてみるとままならないことがあまりにも多く

どうにかしてお店の水準を保たなくては、

いいお店でないと、ここにある意味はない、

と、とてもきびしく考えていました。

そう思って懸命に日々を送っていたら、

いつのまにか、自分の場所ではない喫茶に

深くかかわりすぎていたようです。

そしていつのまにか、自分自身のこれからのことが

なにも見えなくなってしまっていました。

とにかく、このままではいけない、と思って

ワガママを言ってお店の業務から少し離れさせてもらって、

ゆっくり考える時間をもらいました。

なにも言わずにお店で急に姿を見せなくなって、

たくさんの方にご心配をおかけしました。

ごめんなさい。

 

これまでのこと、このさきのこと。

ゆっくりじっくり考えさせてもらいました。

10年前には見えていなかった、このさきの夢が、

おぼろげながら、見つかったような気がしています。

私は夢を見ながらでないと生きていけないのだな、と、

たいせつなことに気がつきました。

寝てみる夢、なぜか近頃いっさい見ないのです。

だから、起きてみる夢が必要。

 

しばらくの間、白線文庫を整える作業と、

喫茶の仕事を引き継いでいく作業に集中したいと思います。

そして、あたらしい夢への準備も。

あたらしいことがかたちになっていくのは、

これまでのことを整えてからなのですね。きっと。

 

白線文庫は古本屋ではなく、ハクセンの本棚として

整えていこうと思っています。

喫茶を愉しみながら、好きに本を読んでもらえる本棚として。

そういえば黒磯の白線文庫にも、読書室がありました。

きっと懐かしく思い出してくれる方もいらっしゃるんじゃないかな。

いつかは本の貸し出しもできたらいいんじゃないかなとも思いますが、

それはこれからの喫茶のスタッフにゆだねてみようと思います。

 

「ひとり灯火のもとに 文をひらいて

見ぬ世の人を 友とする

ここに古本屋があることで

だれかの なにかの きっかけになれば」

そう思ってはじまった白線文庫でした。

そして、その「ここ」というのは黒磯の町でした。

 

今いるこの場所には、こじまさんのハクセンがあります。

満ち満ちた水の風景のある、こころ静かな場所です。

「人がやってきて、人に会うこと。話をすること。友達になること。

毎日の生活の中で、何となく気がついているけど、言葉にできないことを、

言葉にして、気がつきあうこと。」

ふたつめの「人」のところは、

「本」や「音楽」や「絵」と言いかえることもできます。

この場所の、これから。

 

そしてきっとまた、この場所が、ここにあることで

だれかの なにかの きっかけになってくれる と

強く信じています。

 

夢や希望は探すものではなくて、与えられるもの

今、そういうふうに感じています。

与えられたものを活かしきる、そんな生き方がしたい。

きびしい考えを持って生きていると、きびしい現実が返ってくる

ということを、身をもって知りました。

そしてこれからはやさしくあまく生きていこうと決めました。

これまでの、かかわってくれたすべての人やものに

言葉では言い表せないほど、感謝をしています。

 

少しずつかたちは変わっていきますが、

どうぞこれからもあたたかく見守ってくださるとうれしいです。

 

 

 

 

 

 

 

heimaの夏の夢

コラム 雑記

heima、企画の段階では、どうなるかな、ちゃんとやれるのかな、
これだけ車移動が主流の地域で昼間からワインのイベントが成り立つのかしら、
なんてひそかにちょっとだけやきもきしていましたが、
楽しむ気満々でこぞっていらしてくださった地元のお客さま、
遠方から宿泊予定で来てくださったたくさんの方々、
みなさんにいい雰囲気を作っていただいて本当にうれしかったです。

ワインボトルを片手にワインとheimaのお話を語る明日香さん、
立ち姿がしびれるほど格好よかった。
美しいお菓子を用意してくださった佳子さん、
そこにいるだけで空間がどんどん透き通っていくようでした。

すべてを曖昧に、美しい夢を見せてくれるワインと
一口食べただけで、心がほどけてゆく優しいお菓子。

さて、夢の時間はあっというまに過ぎて、また現実に戻るわけです。
魅力的な人たちに囲まれた、あまりに楽しい夢だったので、
まだ足元がふわふわしています。
本を読んでいて、映画を見ていて、
お話の登場人物にうっかり恋をしてしまった、なんだかそんな気分です。
大好きな人たちがそれぞれの場所へ帰っていき、
淋しい気持ちも大きいけれど、
私は地味で地道な現実のほうも大好きです。
胸の中の小さな家はまたそっと胸の中にしまって。
“目に見えないものと同じくらい、目に見えるものが好きだ”
そうやって堂々と生きていたい。
また戻ってきてくれるのを、いつもこの場所で待っています。

kaori

 

 

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heima

お知らせ コラム

久しぶりに、やっとHPを開いています。

昼間は夏休みらしく日々の業務で精一杯、

夜は娘を寝かしつけながらの寝落ち…が続き、やっと!

忙しいのはとてもありがたくうれしいことですが、

イベントや何かちょっと新しいことを、という時に少し

余力というか、隙間のようなものがないとなかなか難しいものですね。

 

さて、インスタでもこじまさんが告知していますが、

8/11(金・山の日)はハクセンでheimaです。

なんとも魅力的なイベントなのですぐにいっぱいになってしまうのではと、

告知はさらりとさせていただいていましたが、

まだもう少し、お席に余裕がございます。

16時の会は残りわずか、12時、14時の会はまだ大丈夫です。

【追:8/4現在、16時の会は満席御礼、14時の会が残りわずか、

12時の会にはまだ少々お席がご用意できます。】

なかなかこんな贅沢な時間が過ごせる機会はありません。

なにか理由をつけて(今年の梅雨から続く夏の蒸し暑さはひどかった、とか、

子どもばかりが夏休みでずるいんじゃないか、とか)、

自分を労う時間にしていただけるといいなぁと思います。

 

foodremediesの佳子さんのお菓子は、その名の通り

お菓子で人を癒すことができればという想いから。

お菓子作りに従事するものとしてはもちろんfoodremediesのお名前はよく知っていて、

一度食べてみたいなぁと憧れているお菓子のひとつでした。

こちらから一方的にではありますが、お菓子作りへ向けられている想いや考え方が

とても近いような気がしています。

 

東京で活躍されているワインスタイリストの大野明日香さんが春に来店くださり

その時にheimaのお話を聞いて、foodremediesの佳子さんが来てくれるだなんて!

なんてうれしい!と思ったものの大野さんとのユニットのheimaって、

さて、どんなものなんだろう、と。

お話を聞いていくうちに、お2人がheimaを始めるきっかけとなった映画というのをお聞きして、

後日それを観たのですが、それがすごく、すごく好きだったのです。

これをいいと言える人たちとなら共感できる、

いいイベントになるんじゃないかな、と思ったのでした。

 

その映画は、アイスランドの荒涼とした自然の風景を舞台にした、

胸にぐっとささるような、でもとてもやさしくあたたかい気持ちにつつまれる作品でした。

田舎や自然の中での生活や伝統的な暮らし方って何ものにも代えがたくすばらしいけれど、

でもそれだけじゃない厳しさや、現実をつきつけられる瞬間って、あるのです。

できることなら故郷に住み続けていたいけど、どうしてもそれができなかった、

そういう人たちって、昔からたくさんたくさんいたのだろうなぁ。きっと今も。

そんなことのすべて、いろんなことを考えさせてくれる映画でした。

でも、いつも広々とした自然の風景のすばらしさは力をくれます。

“帰りたい風景”と私は心の中で呼んでいるのだけど、

鳥取の、山陰の広い空のあるなにげない風景の中には、帰りたい、と思わせる強さを感じます。

私自身、家族を説得してここに戻ってきたのは今考えてみると

子どもの頃の日常の風景の記憶がとても大きいと思うのです。

 

heimaをどうしてもここでやりたい、そう言ってくれたお二人の気持ちが

わかるような気がします。

heimaはアイスランドの言葉で家という意味。

帰りたい気持ち、実際には帰らなくとも帰る場所があるというその存在自体が、

人に、力をくれるのでしょう。

もしかすると鳥取に帰省して来られている方にもぴったりのイベントかもしれませんね。

 

また色々書いてしまいましたが、構えずお気軽に参加してみてもらいたいです。

普段は感じられない世界観を体験してもらえるのではないかと思います。

故郷でなくても、ここが好き、と思ってくれている方ならどなたでも。

遠くから近くから、ぜひお越しいただきたいです。

ハクセンの近くにはゲストハウス「たみ」もありますし、

風情のある温泉旅館もいくつかあります。

 

夏の昼下がり、こんな時間から飲んじゃっていいのかなぁなんて思いながら、

それが大人の夏休み、みなさんに楽しんでもらえるとうれしいです!

 

ちなみに。すごく行きたいけど予定が合わない!という方、

8/6(日)には蒜山耕藝の「くど」にて

15:00〜19:00 でheimaのお二人がいらっしゃいます。

先日伺ったくどのオカズデザインごはん、タルマーリーのビールとともに、

今思い出しても、はぁ、いい時間でした。

蒜山のheima、おおらかにゆるゆると、夕ぐれの蒜山を楽しむ。

こちらもおすすめです。

 

kaori

 

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『nice things.』

お知らせ コラム

少し前ですが、5/23発売の雑誌、『nice things.』に

HAKUSENのことを載せていただきました。

 

取材や撮影は時間を合わせるのも心の準備も、なかなかに大仕事。

少人数で働いているので通常の営業にしわ寄せがきてしまうことが多く、

今はほとんど受けていません。

ただ、じっくりと話を聞いていただき文章に起してもらうことは

自分たちの現在地を見つめ直すにはとてもいい機会なのです。

今回も、そんなすばらしい時間をいただきました。

過不足のない潔い文章が私たちの理想とする働き方をあらわしてくれているよう。

言葉選びに何度もひざを打ちました。初めて一緒に仕事をする方にこんなふうに

うまくキャッチしてもらえると、いいなぁうれしいなぁという気持ちになります。

再来月で丸2年。白線文庫から数えると8年目。

自分たちのことながら、HAKUSENはこれからどうなっていくのかなと楽しみに思う気持ちも。

お店というのは生き物なのだなとつくづく感じます。

生きて、呼吸している。

ゆるやかな成長を見守りつつ、呼吸を合わせて働くよろこびを感じながら。

今日もお店でお待ちしています。

『nice things.』7月号、本屋さんで見かけたら手に取ってみていただけたらうれしいです。

kaori

 

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燈と音の、魔法の時間

お知らせ コラム

世の中には特別な魔法のかかった食べ物がいくつか存在する、そんな気がします。

たとえばコーヒーもそう。チョコレートや、お茶やワインなんかも。

お菓子というのはみんなそうかもしれません。

それを口にすることで、ふっと心をどこかに連れて行ってくれるような感覚だったり、

ひとときこの世の雑事をすべて忘れて、ただただこの時にひたらせてくれるような、

そんなひそやかで幸せな魔法が。

そういう経験ってきっと、誰にでもあることなんじゃないかなと思うのです。

 

音楽や絵画、文学にもそんな不思議な力があります。

数年前のこと、その頃に住んでいた家の2軒となりにSHOZO音楽室という名の

町のイベントスペースができました。

そこでライブがあるたびにワクワクしながら通っていたのですが、

中でも強く心に残っているのが、ランテルナムジカの公演でした。

そこでランテルナムジカを見たとき、

たちまち私は、心地よい陶酔とともにランテルナムジカの世界に引き込まれていました。

幻燈と音楽が奏でる、数々の小さな物語のその世界に。

優れた芸術には人の心を解き放つ力があるのですね。

自分の中の気が付かないような場所に置き去りにされていたなにかが、

その時に、ぐぐーっとひっぱりだされたような心持ちでした。

そしてそれは時間をかけて少しずつ、ほどけてとけていきました。

人生ではときたまこんなことが起こります。魔法的に。

 

さて、私の話はこのくらいにしておいて、ランテルナムジカの魔法の時間、

なんと言ってもとても楽しく、きっとみなさんそれぞれにすばらしい時間を

過ごしていただけると思います。

 

もう本当にすばらしいんです!ぜひ!と店頭でお伝えしてはいるのですが、

具体的にはどんな公演なの?幻燈って何?という質問もいただきました。

確かにすすめる側としては、わかりやすく伝えることってとても大事ですね。

主催の熊谷さんに助けてもらいつつ、長くなりますがちょっと説明させていただきます。

お付き合いいただけるとうれしいです。

 

まずはランテルナムジカとは、音楽家のトウヤマタケオさんと画家のnakabanさん二人のユニットです。

トウヤマタケオさんの音楽と画家のnakabanさんの映像で、光を奏でます。

 

nakabanさんがその場で絵を描いていきながら壁に投影し、

音楽にあわせて動いたり光ったり。

自分の半径30センチ以内にある、たとえばビー玉とか絵の具とかを、

nakabanさんがライトボックスに乗せて大きく投影することで、

今まで見たことのない映像に出会うことができます。

 

幻燈とは、マジックランタン。

幻燈(マジック・ランタン)は、いまから300年以上前に発明された、

現在のプロジェクターの原型である投影装置です。

ガラス製のスライドに描かれた絵や写真をレンズによって拡大、投影する装置で、

光源にはろうそくやランプ、後にはガス灯や電燈が用いられました。

スライドを切り替えながら投影する幻燈のイメージは

現在のスライドプロジェクターやパワーポイント、

紙芝居やアニメーションの原型であるとも言われています。

 

音楽との化学変化によりイメージが跳躍し、まさに魔法のような夜になると思います。

とのこと。

 

そう、魔法のような。

魔法とか、夢とか、子どもはみんなきっと大好きだと思います。

大人だって、誰でも昔は子どもだったわけですし、ね。

 

ランテルナムジカがこの町に来てくれるなんて!

とても幸運なことだと思います。

水辺の風景を含めたハクセンの空間とどのようにとけあうのかも楽しみの一つ。

すてきな時間をみなさんと共有できたら、これほど嬉しいことはありません。

またとない機会、どうぞ早めのご予約をおすすめします。

 

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