永遠の、瞬間

お知らせ コラム

子どもの頃の記憶で今もあざやかに残っているのは

なぜかどれも一人でいる時の風景だ。

夕日が山へ沈んでいくのが見える、小学校の校庭のブランコに、

一人座って日が沈んでいくのを眺めるのがとても好きだったこと。

波々伎神社の森で生い茂る木を見上げて、木の葉の揺れる音に耳をすませていたこと。

この瞬間瞬間は、私の中で永遠に胸に残っていて、

ふとした時に、すぐ目の前に帰って来る。

本を読んだり、音楽を聴いたり、

外の景色を眺めながらコーヒーを飲んで一息ついている時に、

ふっとやって来ることもある。

FOLKLOREの演奏は、雲間からこぼれる日の光のような

優しく懐かしいあたたかさでゆるやかに心の扉をひらいていって、

しまい込まれていた風景を思い出させてくれる、そんな音楽だった。

きっと同じ時間を過ごしたみなさんも、

感じ方はそれぞれに違っても、確かにあたたかなものを感じたはず。

たえず生まれては消えてゆく、この、美しい音楽。

そして時には、記憶にはない記憶の断片のようなものも入り交じって心の深いところに届いてゆく。

いにしえの音を奏でるソプラノサックスの内田輝さんに、

あなたは生まれ変わった回数がきっと人よりも多いのだろうな、と言われて、

だから出て来るものもこんなにもたくさんあって、

こんなにも激しいものなのかもしれないな、と思い当たった。

自分の中の、このややこしくて複雑な生まれてはは消えてゆく感情と

それでもなんとかうまく付き合うことはできるようになったのは、

最近のことかもしれない。

写真家の中川正子さんとの出会いも含めて、

今だから、みんなと巡り会うことができたんだと確信する。

音楽も、楽しい時間も、はじまりがあれば終わりもあって、

出会いがあれば別れがあるわけだけれど、

また自分の中に永遠に残っていくだろう幸福な瞬間がこの二日間でなんども訪れた。

今回ほど、この場所でお店を開いてよかったと思ったことはなかったです。

ありがとうございました。

この演奏会の前から決めていたことですが、

ハクセンでの規模の大きな音楽イベントはしばらくの間お休みしようと思っています。

また機が熟したら、再開いたします。

どうぞ楽しみにお待ちくださいね。

 

ひとまず少し休息をいただきます。

また18日(水)より、みなさんのお越しを心からお待ちしています。

 

kaori

 

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